結局、幸せな人生とは、宝物ではなく、宝人(たからびと、勝手に造語)に恵まれた人生のこと。
あたりまえのようで、わかっていたようで、ぜんぜんわかっていなかった。
ああこの人と出会えただけでいい人生だった、と心底思える人がいること。
それがすべて。ほかには何もいらない。
完全に打ちのめされていたのに、じわじわと力を取り戻させてくれた。
ありがたいことに、わたしにもそんな宝のような人がいた。近くにも遠くにもたくさんいた。なのに、ほんとうのありがたさに気づいていなかった。
がんのおかげで大事なことに気づけたのなら、これぞ不幸中の幸い。
特に、死に近いところで日夜仕事をしていたり、わたしよりも死に近いところにいったことがある宝人は、強烈なパワーでわたしを引き揚げてくれた。
もはやこの宝人との関係性を、「親友」といった一般的な呼称で分類することは不可能だ。
出会いから32年になるグレート宝人、ドクターM。
「これぞまな板の上の鯉、だけど、新しい違う人生の始まりだよ!」
My brand-new life.
楽しみです。
人間ドックの結果を開封して、ショックでわけがわからず、コート着たままMに電話したあの日から1カ月、絶え間ないLINEの会話で支えられ(LINEサンキュー!)、4月の終わりにようやく会えて、 いっしょに激ウマ餃子を食べてから、参道を森林浴しながら歩き、明治神宮でお詣りして、おみやげにと手渡された漢方薬さるのこしかけ。早口で煎じ方を教えてくれた。
調べたら、漢方薬を煎じるには金属のヤカンより土瓶がいいらしく、その日のうちにAmazonプライムで常滑焼を注文した。ヤマトさん、今回だけは無茶な配送許してください。
それから今日まで毎朝15分、煎じ続けたさるのこしかけ。
飲んだら効くかどうか以前に、
買ってきてくれたMの気持ちだけで、既にNK細胞が活性化している。
毎朝ちゃんと。
そのうち、いろいろ、ちゃんと書きたいな。