SAILING POEMS

If you are good enough, someone will notice.

電通報2007/4/30 敬愛する友人のこと

先週、昼休みに旧友と3年ぶりに再会した。職場は近いのだが、いつでも会えると思うと逆にきっかけがなく、年賀状だけのやり取りになっていた。席につくと彼女は、「びっくりさせるつもりはないんだけど…」と切り出した。この1年、大病を患っていたというのだ。

ショックで言葉の出ない私を前に、彼女は、「これは運だから仕方ない。ただ一日一日を精一杯生きるだけ」と、にこやかに話し続けた。昔と変わらぬその笑顔に、静かで強い意志の力を感じた。と同時に、「私から、笑おう。」という百貨店の広告コピーが頭をよぎった。いろいろな思いを飲み込んで、自分から笑う。誰にでもできることではない。

年をとってくると、周りが気を使ってくれるようになる。職場では後輩が、自宅では子供が、おもしろい話で笑わせてくれる。そんな状況に慣れてしまい、いつのまにか笑顔は人からもらうもの、と受け身になっていたようだ。

彼女とのランチの帰り道、新入社員の群れと何度もすれ違った。そういえば、かつて就職先として広告会社を選んだのも、人を喜ばせたいと思ったからだった。よし、この辺りで初心に返って、私から、笑わせよう。