SAILING POEMS

If you are good enough, someone will notice.

電通報2005/3/21 ママのお仕事

先日、娘に突然「ママはどんなお仕事をしているの?」と訊かれて、答えに詰まってしまった。簡単に説明しにくい職種であるという以上に、自分は仕事を通して一体何を成し遂げているのだろう、という根本的な問題に突き当たってしまったからだ。

思い返せば、人生に終わりがあると知った小学生の頃から、なんとかして地球に自分が生きた痕跡を残したいと考えていた。小説家になって本を出す。子供を産む。ほかにどんな方法があるだろう、と真剣に模索した。その頃の気持ちのまま社会人になったが、時がたつにつれ、緊張感も薄れてきた。

建築家の安藤忠雄氏は、精神を萎えさせないために、常に勇気を持って挑戦した人たちの仕事を見るという。海外では寸暇を惜しんで建築物を見て歩く。すると、可能、不可能は別にして、先人の挑戦を自分も超えたいと目標が見えてくるそうだ。

建物の規模が大きくても、設計者が燃えずに手がけた仕事は否定される。「意志のある建築」かどうか、人には分かると説く。もちろん我々凡人が、一足飛びに偉業を目指す必要はない。が、常に理想を持って、自分を燃やさないとできないような仕事に挑戦していきたい。